ゲーム機本体が不要なGoogleの新ゲームサービス「Stadia」の特徴まとめ
Googleが発表したゲームプラットフォーム「Stadia」はゲーム機本体が必要なく、ストリーミングでゲームをプレイできることが最大の特徴となっています。
現在は音楽や動画などをストリーミングサービスで楽しんでいる方も多いかと思いますが、同様の手軽さや利便性でゲームを楽しめるとすればゲーム業界の革命となることは間違いありません。
「Stadia」の特徴や仕組み、またユーザーに求められる環境や遅延の有無など、気になる点についてまとめてみたいと思います。
Stadiaにはゲーム機本体がない
「Stadia」は従来の据え置きゲーム機とは違い、ゲーム機本体が販売されるということではありません。
実際にゲームを動かすゲーム機本体、ゲームのダウンロードやアップデート、これらすべてがGoogleのデータセンターで完結しており、ユーザーはパソコンやスマホ、タブレットなどの端末とインターネットだけあればゲームをプレイすることが可能になります。
パソコンやスマホなどの端末ではゲームを動かす指令のみを行い、実際の処理はデータセンターで行われるため、ハイスペックなパソコンやスマホなどが必要ないというのも特徴の1つです。
従来は最新のゲーム機本体を購入し直したり、ゲームをプレイするパソコンなどの環境によってスペックの格差が生まれていましたが、それらの問題が解決することとなります。
YouTubeとの連動
YouTubeには様々なゲームの予告動画、プレイ動画などが掲載されていますが、動画の視聴中に表示される「今すぐプレイする」というボタンを押せば、ダウンロードやインストールをすることなく動画を再生するようにゲームをプレイできるようになるとのことです。
YouTubeのゲーム実況者がライブ配信を行っている時に「一緒に遊ぶ」ボタンを押することで手軽に一緒にゲームをすることができるようになる「Crowd Play」という機能や、配信者などが特定のゲーム状態をセーブして他のプレイヤーが自由に遊べるように共有できる「State Share」という機能が用意されます。
これまでゲーム配信者は動画やライブ配信を通じて視聴者へと一方的に情報を伝えていましたが、実際に体験してもらうことが可能になるため新たな活動の可能性が見出せることとなります。
必要なインターネット回線
パソコンやスマホなどの端末のほか、インターネット回線のみ準備すればゲームをプレイすることが出来るのですが、ある程度の回線速度が求められると予想されています。
ゲーム機本体が必要なく、またクラウド上にあるゲーム機は非常にハイスペックなのですが、データセンターと端末のやり取りに使われるインターネット回線はユーザーが準備しなければならない点です。
最新のハイエンドゲームでは4K/60fpsで非常に高画質のゲームをプレイできるため、転送に必要なデータ量が非常に多くなっています。普段利用している自宅のWi-Fi環境などでは遅延が発生してしまう懸念があります。
特にFPSや格闘ゲームなど反応速度が求められるジャンルでは多少の遅延でもゲームプレイに大きな影響を与えてしまいます。
「Stadia」を体験できる会場などでは超高速で安定した通信環境が用意されており、従来の据え置き機のような安定したゲームプレイが可能だったようです。自宅環境などではどれほどの回線速度が求められるのかは今後最も注目すべき点と思われます。
チート対策
気軽にオンライン対戦などがしやすくなった環境で問題視されているのは「チート」と呼ばれるものです。プログラムを改ざんするなどしてゲーム制作者が意図していない動作をさせる不正行為のことを言いますが、公正なゲームプレイが出来なくなりプレイヤーが不快に感じるだけではなく、アカウントを現金で売買するリアルマネートレーディング(RMT)といった市場に利用されるなど、ゲーム制作会社も問題視しているものとなります。
このようなチートは、これまでローカルにゲーム機本体、ゲームソフト・データがあるためプログラム改ざんなどが行われていましたが、全ての処理がクラウド上で行われるためチート行為が非常に困難となっています。公正なゲームプレイ環境が保たれるという点も「Stadia」が期待される大きな理由の1つです。
日本でのサービス開始は未定
「Stadia」は2019年中にアメリカ、カナダ、イギリス、ヨーロッパでサービスを開始予定ですが、日本での開始時期は現在のところ未定となっています。また、PlayStation Nowのように毎月定額を支払い様々なゲームをプレイできるようになるのか、Steamのようにプラットフォーム自体は無料もしくは低価格でゲームを購入するようになるのか、支払い方法についても未定となっています。
Googleは2019年3月に、日本で「Stadia」のゲームプロデューサーの求人を行いました。これまでのゲーム機とは全く違う特徴を持った「Stadia」のサービス開始が楽しみですね。